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不動産を3割引で安く購入できる方法[公売/競売]

「公売」または「競売」を利用すると、一戸建て、マンション、団地などの建物、土地の不動産を市場価格の三割引(30%オフ)で購入する事が可能です。

[目次]
1. 公売
2. 競売
3. 公売と競売の違い
4. メリット
5. デメリット
6. 1万円で購入できるマンション
7. 地方の山林・原野を格安で購入
8. 予備費

1. 公売 - こうばい

公売は国(国税局、税務署)が滞納者の財産を差し押さえて、国税庁または地方公共団体が入札によって売却する制度となります。

早い話、差し押さえた不動産をオークションで購入できるという事です。

オークション会場

オークションはインターネットで入札可能です。

Yahoo!官公庁オークション(インターネット公売、公有財産売却)

という専用ページを作成していますので、どなたでも入札することが可能です。

不動産は左メニューの左下のほうにカテゴリがあります。差し押さえは不動産のみではなく、パソコンやスマートフォンなどの動産もあります。

※古くなった消防車などの公有財産の売却も含まれます。

2. 競売 - けいばい

競売は住宅ローンなどの債務者が借金の返済が不可能な場合に、債権者が裁判所に申し立てて入札によって担保などの不動産を売却する制度となります。

一般的に競売を「けいばい」と読むのは法律関係です。
※「けいばい」は民事執行法に規定されている手続きです。

入札場所

入札対象の競売物件を取り扱っている各裁判所で入札の手続きを行います。また、郵送で書類を送付して頂く事も可能です。

不動産競売の物件サイト

次のサイトでは各裁判所の不動産競売の物件をインターネットで取り扱っています。ネットでは入札はできませんが、物件の検索と詳細の確認が可能です。

サイト運営
不動産競売物件情報 981.jp一般社団法人不動産競売流通協会が運営
BIT 不動産競売物件情報サイト最高裁判所の委託を受けたNTTデータが運営

基本的に「981.jp」で物件を検索して、気に入った物件が見つかった場合は「管轄裁判所」「事件番号」をメモして「BIT」の「事件番号から探す」で検索すると会員登録なしで3点セットや詳細を確認可能です。

3点セットとは電子化された「物件明細書、現況調査報告書、評価書」をPDFファイルで1つにまとめたものです。これは入札する前に必ず確認する必要があります。

期間入札と特別売却

期間入札は一人一回入札のオークション形式ですが、特別売却の場合は先着順で売却されます。特別売却は期間入札で入札がない場合に実施されます。

事件記録符号

事件記録符号は「平成28年(ケ)」「平成28年(ヌ)」の末尾の「ケ」と「ヌ」の事です。「ケ」の場合は不動産等に対する担保不動産競売事件です。「ヌ」は不動産等に対する強制執行(強制競売)事件となります。

初心者の場合は「ケ」の物件を扱うと良いとされています。それは、「ケ」の場合はあくまでも担保の競売で「ヌ」は強制執行です。この事から「ヌ」の場合は自己破産などの可能性が高く、物件を購入しても、なかなか立ち退きしない場合があるからです。

3. 公売と競売の違い

原因管理
公売税金の滞納地方公共団体
(都道府県、市区町村)
競売借金返済不能
(住宅ローンなど)
各裁判所

公売と競売のリスクに関しては、公売の方がリスクが高いです。

建物の「明け渡し」については、競売では裁判所の「引渡命令」「強制執行」が可能で最短2ヶ月で強制退去できます。公売は訴訟で勝訴する必要があり、最悪の場合は数年かかる場合があります。

ただし、話し合いで解決(残置物には所有権放棄の署名が必須)するとスムーズに明け渡しが可能です。また、初心者の場合は前所有者が行方不明などの物件にも手は出さない方が良いと思われます。

公売と競売の価格に関しては、公売はヤフーオークション形式で入札できる為、相場より高くなる可能性があります。実際に相場の1.5倍から2倍近くになるケースがあります。

また、競売はネット上で詳細な3点セット(物件明細書、現況調査報告書、評価書)を入手できますが、公売はネットでは詳細な情報は入手できません。

4. メリット

市場価格の3割から5割引きで購入できる
山林や原野など市場では販売されない土地を購入できる

※公売/競売は専門家による代行サービスがあります。(有料)

5. デメリット

現金が必要

公売、競売物件は基本的に住宅ローンの融資は難しく、落札の確定日より1ヶ月以内に一括で代金を支払う必要があります。

物件の価値を調査する必要がある

次のサイトで土地の公示価格、取引履歴などを調査する事が可能です。

路線価全国の路線価(土地)
土地ログ全国の公示価格(土地)
不動産の相場ログ全国の不動産の取引履歴、相場

前所有者が住んでいる場合がある

前所有者と話し合いで解決できれば良いですが、無理な場合は公売では「建物明渡請求訴訟」を行い勝訴する必要があります。不動産競売の場合は「引渡命令の申し立て」の次に「強制執行の申し立て」で強制退去可能です。

前所有者の残置物がある場合がある

前所有者の残置物(テレビ、エアコン、冷蔵庫やゴミ等)を勝手に撤去すると損害賠償の対象となりますので、書面で所有権を放棄して頂く必要があります。

書面に署名しない場合は、不動産競売の場合は「強制執行の申し立て」で執行官による動産(残置物)の処分を行います。その費用は落札者の負担となります。

強制執行の申立費用は1件約15万円で、動産の処分費、保管費などは1㎡辺り1万円から1.3万円です。ファミリー用物件(面積:80㎡)の場合は総計95万円から119万円ぐらいとなります。(最短2ヶ月で強制退去可能)

ですので、立ち退き料(引越し費用)として20-30万円前後を渡して1ヶ月以内に退去して頂く方法もあります。(法律的に支払う義務はありません)

その交渉の際に「不動産明渡及び残存動産所有権放棄書」(名称は別名でも可)にも署名捺印して頂きます。立ち退き料は引越し日に渡して領収書にサインして頂く事で完了です。

※強制執行の費用は全額、前所有者に請求可能ですが、恐らく払える状態ではないと思います。

相場より高くなる場合がある

オークション形式ですので、相場より価格が高くなる場合があります。

6. 1万円で購入できるマンション

不動産競売のサイトでマンションを探していると、1万円で購入できるものが多数あります。これは、理由があるんです。

物件の3点セットを見てみると、管理費、修繕積立金の滞納が50-100万ぐらいあるんです。その1万円のマンションを購入すると、落札者がその滞納金を支払う義務があります。

このように、マンション・団地などの区分所有の場合は「落札金額+滞納金」は付き物となりますので注意が必要です。

7. 地方の山林・原野を格安で購入

地方の山林や原野の広い土地を格安で購入する事が可能です。

都市計画区域内の場合は、道路(幅員4m以上)に2m以上接していないと建物などが建築出来ませんので注意してください。(一部区域では幅員6m以上が必要)

次は土地の単位の目安です。

1坪1坪3.3㎡
1反300坪990㎡
1町3,000坪9,900㎡
1ヘクタール
(1ha)
3,025坪10,000㎡

・東京ドームは「46,755㎡」で「約4.7ha」です。
・新規に農家をはじめるには「約5反」以上が必要です。

※別荘地の土地は管理料などを支払う場合がありますのでご注意ください。

8. 予備費

公売、競売で物件を購入する際は「強制執行の費用」(ゴミ処分代)や「リフォーム代」などの為に300万から500万円ぐらいはストックとして現金があると安心できると思います。

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公開日:2016年09月18日 最終更新日:2022年04月08日
記事NO:02154